「食い尽くし系」とは、共有の食べ物に対して異常な執着を見せ、他人への配慮やルールを無視して食べる人々のことを指します。
この記事では、彼らの特徴と行動パターンについて詳しく解説します。
行動パターン
「食い尽くし系」と呼ばれる人に共通する特徴があります。
過剰な食欲
食い尽くし系は人数に応じた分量を超えて食べます。
また、自分の食欲を超えた量を食べようとします。
食い尽くされてしまうからと多めに食事を用意しても、あったらあった分だけ食べてしまいます。
量を増やしても「作りすぎだよ〜」と言い、自分以外にも食べる人がいるということは認識していない様子です。
お腹いっぱいになりたいというよりも、目の前の食べ物を他人に食べられる前に自分が食べてしまいたいという衝動に駆られたような行動に見えます。
たとえすでに自分がお腹いっぱいになっていたとしても、他人に食べられるくらいなら無理して自分が食べるという異常行動です。
自己中心的
基本的な考え方はとても自己中心的。
他人も「食べたい」という欲求を持っていることを理解しようとしません。
他人のことを感情を持つ人間ではなく、ゲームの中のモブのような位置付けだと思っているようです。
だから「私も食べたいのに」と言うと、「え?そうなの?」と驚くタイプや、「食い意地はってるね」とモブのくせにうるさいと横柄な返答をしてくるタイプもいます。
他人の配慮を無視
家族のバースデーケーキ、職場の同僚の門出など、特別な場面でも食べ物も食い尽くします。
食い尽くし系本人が主役ではなくてもお構いありません。
如何にして自分が多く食べるかに集中しており、他人を祝ったり配慮したりする気持ちは一切見受けられません。
誰かのお祝い用の食べ物であっても、我先にとがっつき、周囲がドン引きするほどに食べてしまいます。
メイン食材の独占
食い尽くし系は食べ物なら何でも食い尽くすわけではありません。
食べ物の中でもメイン級の美味しい部分だけを食い尽くします。
自分が好きなものだけを食べるのです。
ローストビーフが乗ったサラダが出てきたら、上に乗ったローストビーフだけを食い尽くし、下のレタスには手を付けません。
酢豚が出てきたら、お肉だけを食い尽くし、玉ねぎやピーマンは残します。
そして、残った野菜を前にして同席者に「残しておいてあげたよ」「あとは食べてもいいよ」とまるで自分が良い人かのような発言をし、残り物を押し付けます。
他人の食事への干渉
食い尽くしは目の前に食べ物があると、他人が食べている物であっても自分が食べたいために口出しをします。
個別に定食を食べている時、食い尽くし系は自分の分を食べ終わると同席者に対して「無理しないでいいよ。」などと言って残すように暗に促すことがあります。
同席者が自分の分を完食すると「女なのによく食べるね。」と嫌味を言ったり、反論されると「食べ物のことくらいで卑しいね。」と自分のことを棚に上げて相手を罵倒することもあります。
汚い食べ方
食い尽くし系は食べ方が汚い人が多いです。
基本的に早食いなので、よく噛まずにガツガツと食べます。
一口のサイズも大きく、次から次へとかき込むように食べます。
また好きなものしか食べないので、嫌いなものを残すことも多いです。
野菜炒めでは肉だけ取って野菜は残したり、ドリアを食べればご飯粒はプレートにこびりついたままだったりします。
本性の隠蔽
これは全ての食い尽くし系に当てはまるわけではないですが、最初は本性を表さないタイプがいます。
相手を見極めてから食い尽くし癖を発動するのです。
付き合い始めは食い尽くし癖を隠して「優しい人」を演じ、結婚して同居生活を始めた途端に食い尽くしをするようになります。
食い尽くし系の相談をすると「なんでそんな人と結婚したの?」と指摘される方も多いのですが、実は食い尽くし系の中には食い尽くしできる環境が整うまで徹底して本性を隠すタイプもいるのです。
外面は良いが、家の中では食い尽くし系というタチの悪いタイプが存在します。
損してはいけない精神
食い尽くし系は他人と比較して自分が損することを極端に嫌います。
ハンバーグのサイズは自分が一番大きいものでないと気が済みません。
マクドナルドのポテトで同じLサイズでもより多く入っているように見える方を選びます。
ゴミ箱からお菓子の袋を見つけて、自分のいないうちにお菓子を食べたことがわかると「なんで一人で食べたんだ!?」と激昂します。
自分が食べられない=損することが許せないのです。
損してはいけない精神は食べ物以外でも発動することがあり、もらえるものは全てもらおうとします。
駅前で配っているポケットティッシュは必ずもらい、旅行に行けばホテルのアメニティは全て持ち帰ります。
損得勘定に過敏で、自分が得をしているという状況に優越感をおぼえるようです。
食い尽くし系が好きな食べ物
食い尽くし系は豪華で脂っこく、味が濃い物が好きだと言われています。
食い尽くし系の好きな食べ物
- 唐揚げ
- 焼き肉
- ハンバーグ
- フライドポテト
- ローストビーフ
- 餃子
- 天ぷら
- エビフライ
- ピザ
- 寿司
- ホールケーキ
- 箱入り菓子
食い尽くし系とこういった食べ物を共有する場面では注意が必要です。
一方で、サラダや漬物といった野菜はあまり好まない傾向があります。
食い尽くし系の4タイプ分類
食い尽くし系にはタイプがあり、大きく2つに分類できると言われています。
- 故意タイプ
- 無自覚タイプ
両方とも満たす複合タイプも存在します。
また、食い尽くし系の関連として、以下のような傾向の人も存在します。
- 多重人格タイプ
- 一口ちょうだいタイプ
順番に解説していきます。
故意タイプ
食い尽くしの自覚があるタイプです。
おもに夫婦や家族など親しい間柄で起こる食い尽くしパターンで、相手を見下しており、優越感を得るためにわざと食い尽くしをするタイプが該当します。
自分の方が偉いから、妻や子どもの分は取っても問題ないと考えるようです。
一種の支配欲も見受けられ、モラハラに近いタイプと言えます。
故意タイプが良く言うセリフ – その1
- 「食べ物のことくらいで卑しいね」
- 「食い意地張らないでよ」
- 「食べるのが遅い方が悪い」
- 「いらないのかと思った」
- 「また買ってくればいいじゃん」
自分の食い尽くし行動に自覚があるため指摘されることを嫌い、指摘を受けると保身のために相手のことを否定します。
食い尽くしてしまうのは自分が悪いのではなく、相手の配慮が足りないからだと主張します。
そして、また買えばいい(作ればいい)などと簡単に吐き捨てますが、その後自分で買ってくることはありません。
故意タイプが良く言うセリフ – その2
- 「残ったら食べてあげる」
- 「食べてあげるから、無理しないでいいからね」
一見優しそうに聞こえるこのようなセリフで相手を配慮することを装って、相手の食べ物を奪おうとすることもあります。
自分は悪くなく、相手に配慮させようと誘導しているのです。
相手が「自分で全部食べたいから」と断ると、「食い意地が張ってる」などと逆ギレすることも多いです。
いずれの食い尽くし行動も故意にやっているため、相手を見下すことで優越感に浸っているケースもあり、人間関係の修復が非常に難しいタイプです。
無自覚タイプ
食い尽くすことが悪いことだとは認識できないタイプです。
人数配分をするべき食べ物についても計算が一切できず、目の前にあるものを好きなだけ食べてしまいます。
食べることは良いことであると認知しており、食い尽くしを指摘されてもピンときていない様子が見受けられます。
発達障害や精神障害と表現する方もいます。
無自覚であるがゆえ、指摘されても理解できず、矯正が難しいタイプです。
無自覚タイプがよく言うセリフ
- 「だっておいしいんだもん」
- 「おいしいからモグモグ食べちゃった」
- 「これ大好物だから」
- 「(食い尽くしを指摘され)え?なんで?」とキョトン顔
おいしいものをたくさん食べるのは良いことだと信じているのです。
母親に甘やかされてたくさん食べるように言われて育った可能性もあります。
目の前にある料理をたくさん食べるのは良いことだと思っており、他人の分まで食い尽くしていることが悪いと自覚していません。
悪気がないため指摘されても何がいけないのか理解ができません。
一方で、自覚がある故意タイプでも無自覚型を装って食い尽くすタイプもいます。
「気付かないで食べちゃった」「美味しいから食べただけでぼく悪くないもん」とあたかも悪気はなかったという認識を演じながら、実は自覚があることも多いので注意が必要です。
多重人格タイプ(特異型)
多重人格型タイプは少々変わったタイプです。
通常の人に近い理性も持ち合わせているが、食べ物を前にすると理性を忘れて食い尽くしてしまうのです。
食い尽くした後に指摘されると、自分の行動を省みることができる場合も多いです。
医学的な多重人格障害(解離性同一症)のことではなく、食べ物の前でだけ人格が変わったように見えることから多重人格タイプとしています。ジキルとハイドのような、ガラスの仮面のような感じです。
他人と食事を共有する場面では自分の分ではない食べ物を分別でき、手を付けないようにすることができますが、「なんで誰も食べないんだ」「料理が冷めてしまうのにもったいない」という感情が湧き起こってストレスを感じています。
目の前にあるポテトが冷めてしまうことが許せないのです。
冷蔵庫に置いてある姉のプリンの賞味期限が迫っていると冷静でいられません。
時間が経ってから食べたり食べずに残して終わることになったりすると「だったら私がおいしいうちに食べたのに!」という感情が爆発し、手が付けられないほどに激昂する場合もあるようで注意が必要です。
一口ちょうだいタイプ(亜種)
食い尽くし系というほどの量は食べないけれど、他人が食べているものを「一口ちょうだい」と言って欲しがるタイプも存在します。
準食い尽くし系、食い尽くし系亜種といえます。
量が食べられない女性などに多く、あらゆる人の食べ物を「一口ちょうだい」と言ってもらおうとします。
全て食い尽くしているわけではないため本人の自覚も薄く、罪悪感はほとんどありません。
量が少ないデザートであっても「一口ちょうだい」を発動するので、あげたくないタイプの方には非常に厄介です。
たとえば6つしか入っていないピノでも「ひとつちょうだい」と言いますし、5つしか入っていないカラアゲクンでも「ひとつちょうだい」と言います。
その1つ分の代金は払うことはなく、たった一口しかもらっていないから問題ないと考えています。
食い尽くし系とは:まとめ
「食い尽くし系」の人は、他人への配慮や遠慮は一切なく、自分の欲求の赴くままに食べ物を食い尽くしてしまいます。
食い尽くし系はその行動パターンや言動から、おもに「故意型」「無自覚型」の2タイプに分類することができます。
あなたの近くに「食い尽くし系」はいませんか?
彼らの特徴を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
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