あなたは食い尽くし系ですか?
もしあなたが食い尽くし系であることを他人に指摘されて反省したとしたら、それは大変立派なことです。
私は食い尽くし系は本人も辛いことを知っています。
あなたも不意に指摘されて困っていますよね。
食い尽くし系の方は、「他人に迷惑をかけたくないけれど、具体的にどう食べたらいいのかがわからない」と思っている方が多いです。
本記事では、食い尽くし系を治したいと悩んでいる方に向けて、目の前の食べ物にどう向き合ったらいいのか食い尽くさないための具体的な方法を例とともに解説していきます。
考え方:食い尽くさない食べ方とは
まず、食い尽くし系を治すためには「食べ物」に関する前提条件を見直す必要があります。
- 食べ物を多く食べることはよいことだと思っていませんか?
- 食べ物は多く食べないと損だと思っていませんか?
- 食べ物は無くなる前に早く食べないといけないと思っていませんか?
- お金を盗んではいけないのはわかるけど、食べ物を食べるのはお金ではないから問題ないと思っていませんか?
これらの考え方は全て間違いです。
目の前の食べ物は所有者が決まっていることがほとんどです。大皿料理は共有物です。
みんなが平等に食べる権利があります。
あなたが多く食べて得をしてしまったら、代わりに誰かが損をしているのです。それはおかしいです。
食べ物はお金と同様に価値があるものです。食べ物はただでは買えませんよね。
必ずお金またはそれに相応する労力のもとで手に入れるものです。
人の食べ物を許可なく奪うことはお金を盗むこととほとんど同じです。
決して他人の所有物を奪ってはいけません。
考え方:複数人で食べ物を分配する方法
複数人で共有する食べ物をあなたが大半を食べてしまう行為はやめてください。
均等に分配する、これが大原則です。
具体的にどう分配すればいいのか説明していきます。
数えて計算する
たとえばから揚げが山盛りに乗っています。
早い者勝ちで食べていいのではありません。
から揚げの個数を数えてください。
18個あったとします。
あなたは何人でそれを食べますか?
その場にいなくても後から帰宅して食べる可能性が少しでもある家族がいればその人も頭数に含めます。
たとえば、家族はあなた含めて合計4人います。
から揚げの個数を人数で割ってください。
18÷4 = 4あまり2となりますね。
この時、あなたが食べていいのは4個です。
しっかり数えて食べてください。5個目を食べたら食べすぎです。
2個余っているから食べたい?確かに2個余っている分は4人のうち誰かが食べることになります。
通常は4人のうち2人があまりを1個ずつ食べます。
決して余っているからといって2個とも食べてはいけません。
もしくは翌日のお弁当や昼食に回す予定があるかもしれません。
料理を作った人に尋ねてみてください。
決して勝手に食べてはいけません。
すると、18個あったから揚げは5, 5, 4, 4と平等に分けられることになります。
もし、まだ子どもが小さくて4個は多すぎる場合は、子ども本人または普段子どもに食事を食べさせている人に聞いてください。も
し子どもには3個で十分だとされるなら、合計3個余ります。
3個ということは軽く1食分の量になりますので、誰かが食べ切ってしまうよりも冷凍したり翌日の食事に回したりすることもできます。
そうすることで、料理を担う人にとっては翌日の家事が楽になります。
決して勝手に食べてはいけません。
大皿料理は平等に分ける
から揚げのように数が数えられるものではない場合もあります。
例えばホイコーローがあったとしましょう。
豚肉、キャベツ、ピーマンが含まれています。
さて、この中から豚肉だけを食べるということをしてはいけません。
あなたが豚肉を食べてしまえば、残りの人はキャベツかピーマンしか食べることができなくなってしまいます。
残りの人も豚肉が一番食べたいのです。
勝手に食べないでください。
また、分量もきっちり4等分になるように分けてください。
豚肉を多めに取ろうとしないでください。
あなたが豚肉を多めに取ろうとすることで、残りの人はキャベツやピーマンを多めに食べる羽目になります。
もともとあった豚肉・キャベツ・ピーマンの比率を維持しながら、4分の1を自分の取り分としてください。
冷蔵庫を漁らない
冷蔵庫に入っているものは全て食べてよいものではありません。
誰かがいつか食べようと計画して購入しています。
もちろんあなたも家族なのであなたが食べてよい分もあります。
でも、冷蔵庫の中にあるもの全てがあなたの分ではないのです。
アイスが冷凍庫にあっても食べ切らないでください。
そのアイスを後で食べようとしている人がいるかもしれません。
食べたくなったら、買ってきた人に許可を取ってください。
アイスが冷凍庫に残っていても、それはいらないから放置しているのではなく、後で食べたいから置いているのです。
通常の人はあればあるだけアイスを食べません。
たまに必要な時にアイスを食べることが楽しみなのです。
あなたがアイスを食べてしまうことで、その人は食べたいときにアイスを食べることができません。
アイスを食べる楽しみが奪われてしまうのです。
冷凍庫のアイスに限らず、冷蔵庫のプリンやジュースも同様です。
食べたいときは必ず買ってきた人に許可を取ってください。
もし賞味期限が迫っていて気になるなら、それを買ってきた人に伝えてください。
賞味期限が2日以上先なら、それは慌てて食べる必要はありません。
もし賞味期限が明日までなら「明日で切れてしまうよ」とリマインドしてください。
賞味期限が迫っているからといって、決して勝手に食べないでください。
もし賞味期限が今日なら、「賞味期限が今日までだよ」と教えてあげてください。
中には賞味期限が2~3日切れても問題なく食べられる商品もありますし、気にせず食べる人もいます。
決して勝手に食べないでください。
もしどうしても食べたいなら所有者に許可を取ってください。
「賞味期限が今日までだけど、もし食べないなら食べていい?」と聞いてください。
それで後で食べるからと言われたら、あなたは食べてはいけません。
もし万が一捨てることになってしまったとしても、それには相応の理由があってやむを得なかったことだと考えてください。
「捨てるのはもったいないよ、食べ物を無駄にしてはいけないよ」と指摘することは正しいことです。
でもあなたが勝手に食べ物を奪ってよい理由にはなりません。
実践トレーニング:食い尽くさない食べ方
では実際の食べ物の写真をもとに食い尽くさない食べ方をシミュレーションしていきましょう。
とんかつをシェアする
あなたはパートナーと定食屋に行きました。
あなたは好きな定食を頼み、パートナーはとんかつ定食を注文しました。
これはパートナーが頼んだとんかつ定食です。
おいしそう・・・食べたい・・・という気持ちになりますよね。
でもだめです。これはパートナーの分です。食べてはいけません。
ではもしパートナーの合意を得ることができ、少し分けてもらえるとしたらどれくらいもらいますか?
この赤い部分をもらおうとしたりしていませんか?
これは食い尽くし系の行動です。やめてください。
そんなにあなたが食べたらパートナーはとんかつをほとんど食べられないじゃないですか。
しかも端っこの1切れしかとんかつを残さないなんてありえません。
パートナーはキャベツ定食が食べたかったのではありません。とんかつが食べたかったのです。
パートナーは本当はとんかつを6切れ食べる権利があったのに、あなたがそれを奪ってはいけません。
あなたには自分の定食があります。
「一口もらう」のではれば、せめてこれくらいです。
これでも多いくらいです。だって6切れのうち1切れも食べてしまっているのですから。
あなたの定食のメインの6分の1をパートナーにわけてくださいね。じゃないとおかしいですよ!
山盛りポテトをシェアする
では次に友人2人とあなたの合計3人でポテトを一緒に食べる機会があったとします。
大皿にポテトが盛られています。あなたはどれくらい食べますか?
早く食べないとなくなってしまうからとどんどん食べ進めて、結果として赤い部分くらい食べてしまっていませんか?
もしこんなに食べていたらそれは食い尽くし系です。
あなたが食べていいのは3分の1です。
きっちり自分が食べられる分量を見極めて食べ進めてください。
もしかして3分の1以上食べてしまった?と思ったり、もしくはわからなくなってしまったら、その時点で食べるのをやめてください。
友人が食べられなくなってしまうからです。
たとえ会話に夢中であったとしても、友人たちはポテトが要らないのではなく、食べることより話すことを優先しているだけです。
会話が落ち着いたらポテトを食べるつもりです。
たとえポテトが冷めてしまってもあなたには関係ありません。
それは友人のポテトです。
友人はポテトが冷めても大丈夫です。
その瞬間はポテトの温度より会話を優先しているだけで、ポテトが要らないから残しているわけではないのです。
あなたも食べ物ではなく会話を楽しむことを心掛けてくださいね。
大人数で桶に入った寿司をシェアする
あなたは親戚の集まりに参加し、5人でこの寿司桶をシェアすることになりました。
さてどれを食べますか?
もしあなたがまぐろとサーモンといくらが好きだからと言って赤い部分を食べてしまったら食い尽くし系です。
これは絶対にやめてください。
え?鯛も好きだから鯛も食べたいですか?そういうことを言っているのではありません。
桶の中の寿司をよく見てください。
全部で50個あります。10種類の寿司が5個ずつ入っています。
このときあなたが食べていいのはこのグリーンに塗られた寿司だけです。
10種類の寿司を1個ずつです。まぐろが好きだからと言って2個目のまぐろに手を付けてはいけません。
それはほかの人の分です。あなたがまぐろが好きなようにほかの人もまぐろを食べたいと思っているのです。
もし同席者の中にまぐろが苦手な人がいて「いらない」と言われたらいただいても大丈夫です。
でも、何も言われていない場面ではあなたは同じネタの2個目を食べたら食い尽くし系です。
他の人の分を奪う行為であり、迷惑であり、非常識です。絶対にやめてください。
食い尽くし系を治すためには
食い尽くし系の行動を治すためには、まず考え方を見直すことが大切です。
食べ物は他人との共有物であり、誰もが平等に楽しむ権利があります。
冷蔵庫の中身も勝手に食べてはいけません。
具体的な分配方法や実践トレーニングを通じて、他人に迷惑をかけずに食べる方法を学びましょう。
治すのは簡単なことではありません。
もし気を付けていてもわからない、どうしても辛い、という気持ちがあるようなら、家族に相談してみてください。
もしかすると専門家の助言をもらうことが必要かもしれません。
他人と協力し、尊重し合うことで、自分自身も周りの人々も気持ちよく食事を楽しむことができると思います。
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