「食い尽くし系」という言葉を聞いたことがありますか?
聞いただけでも思わず眉をひそめてしまう方もいるでしょう。
そのイメージと言えば、あっけらかんと「え?なんでこれくらいのことで怒るの?」などと言いながら、他人の取り分や予定の食べ物まで食べ尽くしてしまうタイプ。
彼らの振る舞いには、自分勝手さと、他人への配慮の欠如が透けて見えるのです。
実際に、「これくらい食べたって別にいいじゃない?」「みんなで分けるように多めに用意していないのが悪いよね」などと開き直る人も。
こうした言動に困らされた経験のある方も多いのではないでしょうか。
しかし、もっと複雑で厄介な食い尽くし系の存在もあります。それが「申し訳なさそうに見せかける食い尽くし系」です。
本当に謝罪しているように見えることから、彼らの行動に気づくまでになかなか時間がかかる場合も多いのです。
以下では、とりあえず謝りはするものの食い尽くしはやめない食い尽くし系について、彼らの特徴と可能な対処法を掘り下げていきます。
「すみません」の裏に潜む計算:申し訳なさそうな食い尽くし系の特徴
食い尽くし系を指摘すると、「え?別に普通に食べたい分だけ食べただけだよ?」と開き直るタイプが多い一方で、「ごめん!うっかりしてた!」と謝ってくる人もそれなりにいます。
ではこの謝れるタイプの食い尽くし系って本当に心から謝罪しているのでしょうか。反省しているのでしょうか。
何度もうっかりを装う不思議な彼ら
たとえば、目の前の食卓からみんなでシェアするはずの大皿に乗った唐揚げが消えてしまったとします。
その時、彼らはこう謝ります。「あ、本当ごめん!気づかなくて全部食べちゃった!」と。
そしてその場では本当に申し訳なさそうに見えるのです。
眉を下げ、反省している様子で頭を下げるその仕草に、容赦なく怒る気も失せてしまうこともあるでしょう
。多くの人は「うっかりなら仕方ないか」と思います。
この一度だけなら、あるいは偶然のハプニングと片付けられたかもしれません。
しかし、問題はこれが過去に何度も繰り返される時です。『また同じこと!?』と驚きつつも、過去の反省した姿を思い出すと、「わざとじゃないのかも」と信じたくなってしまう心の揺れ。
それでも何度も繰り返される状況が続けば、こう思うはずです。
「これって本当に偶然なのかな?」と。
実は、彼らはその表面の態度とは裏腹に、食べ尽くしても「謝ればどうにかなる」と思っています。
つまり、自分がしたことの責任をとことん軽く見ている人種なのです。
問題の本質を完全スルーする「今だけ良ければいい思考」
申し訳なさそうな振る舞いを見せるこのタイプの人たちは、謝ることでその場を「早く収めたい」という意識が非常に強いです。
つまり、「今は謝っとけば、この嫌な空気がおさまるだろう。面倒だし早く忘れたいな」と考えています。
驚くことに、彼らは「次回から気をつける」といった学びや反省なんてほとんどありません。
だから、同じことを何度も繰り返すのです。
その行動は、問題解決のための対策を考えようとしていない証拠。
「失敗したから仕方ない」と表向きは言いつつも、失敗自体に向き合う気はまるでないのです。
彼らの中では、食べ尽くしてしまった自分への不満や怒りは、一時的な謝罪という形でリセットされると勘違いしています。
この行動は、他人の気持ちに鈍感な性質が影響しています。
深く考えることなく、「これくらいで納得してくれるよね」という甘い見通しだけで動いているのです。
実は見え隠れする別の顔:「悪を知って、それを利用する賢さ」
とりわけ厄介なのが、「自分が悪いとわかっていますよ」というアピールをあえてしてくるタイプです。
「ねえ、もしかして私、また食べ過ぎちゃったかも」だとか、「あ、これって食い尽くしちゃったって思われるよね?」という具合に、自ら問題意識があるような雰囲気を醸し出すのです。
このタイプは、周囲から咎められることを最小限に抑えるために、このような予防線を張ります。
しかし、実際には心の底から反省しているわけではありません。「自分はこれだけ自覚しているんだよ、だから許してね」というメッセージが伝わるように行動しているだけです。
「食い尽くしは悪、自分の中では自覚済み」というスタンスで、指摘しづらい空気を作り出す巧妙さが特徴です。
正当に怒っているこちら側を、必要以上に神経質なように見せてしまわれるような感覚にさせられます。
食い尽くし系から身を守るために:私たちのとるべき対策
正直、このタイプの人とは距離をとるのが一番なのですが、現実にはそれが難しい場合もあるでしょう。
職場の同僚や親族など、完全に断絶することができないこともありますよね。そんな場合にはどうすればいいのでしょうか?
「謝罪=免罪符」ではないと示す
まず大前提として、謝罪を受け入れる義務はありません。
相手の「ごめんね!」という言葉がどれほど誠実に響いても、「毎回これじゃ、ごめんで済む話じゃないよね」と毅然とした態度で伝える必要があります。何度言っても改善がない場合には、嫌悪感を率直に示してください。
たとえば「考えなしに人のものを食い尽くすなんて、ちょっと信用できないな」という表現で、一歩距離を取ることを伝えるのも効果的です。
「予防策」を講じる
また、この問題が発生する状況を未然に防ぐことも忘れずに。
取り分を事前に確認し、大皿の料理に対しては、あらかじめ「これ自分の分ね!」と言葉にして確保しておく方法もあります。
あらゆる手段を駆使して、被害に遭わない環境を自分で作ることも、人間関係を維持しつつストレスを減らす一つの方法です。
最後に:彼らの行動の本質を忘れないで
申し訳なさそうに見える食い尽くし系は、明らかに威圧的なタイプや開き直り系に比べ、つい許してしまいやすい存在です。
しかし、彼らもまた「食い尽くし系」というカテゴリーに含まれる厄介な存在であることに変わりはありません。
その根底にある問題は、他人との境界線を十分に理解していないこと、そして自分さえ満足すればいいという自己中心的な思考です。
本当に反省しているように見せかけながら、実際には自分の利益を最優先にしていることを忘れてはいけません。
食い尽くし系への対応は、ただ謝罪されるだけで心情的に飲み込まれないこと。
皆さんの大切な心やストレスを守るために、適度な距離感を大切にしてください!
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